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2009年9月25日 (金)

“ 印紙税の実務 ~うっかりミスに注意!~ ”

印紙税は、経済取引や日常生活などで交わされる契約書、領収書、受取書などの文書を作成するときにかかる税金で、定められた金額の収入印紙(印紙)を文書に貼ることで納税します。もし、印紙の貼り忘れ等があると、過怠税が課せられますので、余分な税金を払わないためにも注意したいところです。

【つい、うっかり!!でも3倍のペナルティー】

法人税や消費税の税務調査の際、契約書などの提示を求められますが、調査では、取引内容だけでなく、印紙がきちんと貼られているか、印紙の金額に誤りがないかなどもチェックされています。また、印紙税だけの調査が行われることもあります。万一、印紙の貼り忘れがあると、それが故意でなく、「つい、うっかり」であったとしても、ペナルティーとして過怠税(納付しなかった印紙税額とその2倍に相当する金額との合計額)が課せられます。本来、印紙税は、損金(または所得税の必要経費)になりますが、過怠税は損金等にはなりません。

【文書の名称ではなく内容で判断する】

印紙税がかかる文書(課税文書という)と文書ごとの印紙税額は、税法で決められており、税法に記載されていない文書については、課税されません。だからといって、例えば、契約書は課税文書に該当しますが、「契約書」という名称を使っていなくても、文書の中身が契約内容があれば課税文書になります。あくまでも、その文書の性格で判断します。印紙税がかかる主な課税文書は、下記の表のとおりです。また、課税金額は、文書の種類によって異なります(課税文書、課税金額は「印紙税額一覧表」で確認できます。国税庁HPなど)。

● 課税される文書の例

・不動産の譲渡契約書。 ・土地の賃借権の設定または譲渡契約書。 ・金銭消費賃借契約書。 ・約束手形、為替手形(10万円未満は非課税)。 ・請負契約書(1万円未満は非課税)。 ・継続的取引の基本となる契約書(特約店契約書、代理店契約書、銀行取引約定書など)。 ・領収書(3万円未満は非課税)。 ・判取書。

● 課税されない文書の例

・委任状。 ・労働者派遣契約書。 ・物品売買契約書。 ・建物賃貸借契約書。 ・抵当権設定契約書。 ・電子文書による契約書や領収書。

《 こんなときはどうなる?どうする? 》

(1) 金額を判定する際は、税込みか税抜きか?

領収書などその課税文書の記載金額が、消費税込か抜きかのどちらかで記載されているかで判定します。税込金額の記載しかなければ、消費税込の金額、消費税額が明記されていれば、税抜き金額で判定します。

(2) 印紙の貼り忘れや金額不足に気付いた

税務調査等で貼り忘れ等を指摘されると、未納分の3倍に相当する過怠税がかかりますが、貼り忘れ等に自ら気付いて、自己申告した場合には、過怠税は未納分の1.1倍(本来の印紙税額+その10%の金額)になります。

(3) 収入印紙への消印を忘れたときは?

印紙税は、印紙を貼り、それに消印をすることで、初めて納付したことになります。消印がなければ、貼ってある印紙と同額の過怠税が課せられます。

(4) 印紙が貼っていない契約書は無効か?

印紙が貼っていなかったり、消印がなくても、契約書は有効です。印紙はあくまでも、税金の問題であって、文書の効力には一切関係ありません。だからといって、故意に貼らない場合は、脱税となります。

(5) 印紙が貼れない電子文書の印紙税は?

印紙税は、紙の文書に課税されるため、電子データのやりとりで交わされる契約書や領収書には、印紙税はかかりません。また、電子データの文書の保存を目的に印刷しても、コピーと変わらないため、課税文書にはなりませんが、印刷後に取り決めをして押印をするなどの場合は、課税文書になります。

(6) 印紙を貼り間違えたときは?

「本来納付すべき金額以上の収入印紙を貼ってしまった」「課税文書でないものに印紙を貼ってしまった」あるいは、「印紙は貼ったあと、書類を書き損じた」などによって、誤って印紙税を納めた場合には、「印紙税過誤納確認申請書」を納税地の税務署に提出すれば、還付を受けることができます。その際、貼り間違えた文書と代表者印、預金通帳(還付される税の振込先となる)が必要になります。

(7) 貼り間違えた印紙を再使用できるか?

貼り間違えた印紙は、消印をしていなくても、剥がして再使用することは違法です。

(8) クレジットカードでの支払いの領収書

クレジット販売は、信用取引により商品を引き渡すものであるため、金額が3万円以上で表題が「領収書」となっていても収入印紙を貼る必要はありません。ただし、領収書には、必ず「クレジットカード利用」と記載してください。

(9) デビットカードでの支払いの領収書

金額が3万円以上であれば金銭の受取書に該当するため印紙税がかかります。ただし、顧客あてに交付する「口座引落確認書」(単に口座からの引き落としのみを通知するもの)は金銭の受取書には該当しません。

(10) 収入印紙を購入したときの消費税は?

郵便局、郵便切手類販売所や印紙売りさばき所(切手・はがき類を販売するコンビニなど)で購入すれば非課税です。金券ショップなどで購入すると、課税仕入れとなります。

実務では、後で印紙を貼るつもりでそのまま忘れたり、印紙税額表の「以上」「未満」を間違えたりすることがよくありますので、注意してください。

※ 「以上」 ・・・・ その金額を含む。  「未満」 ・・・・ その金額を含まない。

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2009年9月18日 (金)

“社長と会社との金銭の貸し借りの手続き”

同族会社が大半の中小企業では、会社の資金繰りが苦しい時に、社長(役員)が会社に運転資金を貸し付けたりすることがあります。このような、会社と社長との貸し借りでは、税務上もトラブルが起こりやすいところです。

【社長と会社との取引でも契約書を忘れずに!】

中小企業では、会社と社長の資産が一心同体ともいえるため、会社の資金繰りが厳しくなったり、倒産を防ぐために、社長(役員)が会社に資金を貸したり、反対に社長の自宅購入資金などを会社から借りたりすることがあります。ところが、社長が契約書を交わさずに会社とお金の貸し借りをしたり、社長への仮払金が未精算のままになっているということが見受けられます。あくまで社長個人と会社は別人格ですから、会社と社長との間の金銭の貸し借りであっても、契約書を交わすなど、必要な手続きを忘れないようにしましょう。具体的には、借入金額、利息(適正な利率に基づく)、返済条件などを明記した「金銭消費賃借契約書」を作成し、取締役会(取締役会を設置していない会社の場合は株主総会)の承認を得て、その議事録をきちんと残しておきます。これらがないと、例えば、会社の資金繰りが苦しい状態が続いて、社長が貸した資金が長期間にわたって返済されないときに、税務調査で社長から会社への贈与ではないかと疑われることもあります。

※ 金銭消費賃借契約書に最低限記載する事項

1) 取引を行う者の氏名  2) 返済期限と返済方法  3) 貸付金額とその交付日

4) 利率・利息  5) 契約日

Q1.社長が会社に金銭を貸す時

私が経営する会社の資金繰りが苦しく、銀行からの融資も目処がたたないため、私個人のお金を運転資金として会社に回すことにしました。もちろん、会社から利息をとるつもりはありませんが、利息をとらないと、税務上、問題にならないでしょうか。

A1.社長が会社にお金を貸す時は、会社が利息を支払わなくても、税務上は特に問題はありません。反対に、利息を支払った場合には、会社は利息分を損金として処理することができますが、社長が受け取った利息については、所得税がかかります。

(1) 会社に無利息で貸す場合・・・・・ 運転資金程度であれば問題はないでしょうが、借入が多い場合は、税務調査で、その資金をどこから調達したのかが問題視されることがあります。

(2) 会社から利息を受け取る場合・・・・・ 社長への利息が過大とみなされると、適正な利息との差額が役員への給与とされ、所得税が課税されますまた、会社に不利益を及ぼすおそれがあるため、取締役会等の承認が必要です。

Q2.社長が会社から金銭を借りるとき

新たに別の事業を立ち上げるための資金を会社から借りることにしました。自分の会社から借りるのですから、利息は払わなくてもいいですか。

A2.社長は、契約に基づいた利息を会社にきちんと支払わなければなりません。社長が利息を支払わない場合は、適正な利息との差額分が社長への給与となります。

※ ただし、適正な利率によって計算された利息との差額が、年間5,000円以下(1年に満たない場合は、5,000円に月数/12か月を掛けた金額)であれば、無利息や適正な利息より低い場合であっても、社長に所得税はかかりません。また、この場合、会社も社長への給与として処理しなくても差し支えありません。

Q3.緊急な貸付け

社長の自宅が水害に遭い、会社から緊急に生活資金を貸すことにしました。

A3.災害・疾病等によって臨時に多額の生活資金が必要となった社長に、その資金を会社が貸し付ける場合には、合理的な返済期間であれば、適正な利息や無利息であっても、社長に所得税は課されませんし、会社の処理も社長への役員給与にしなくてもよいとされています。

Q4.長期間未精算の社長への仮払金

社長が、しばしば接待費として持ち出した現金について仮払金として処理していますが、精算されないままになっています。

A4.社長への仮払金が長期間精算されないまま残っていると、貸付金や賞与とみなされることがあります。貸付金とみなされると、会社は受取利息を計上し、社長は会社へ利息を支払わなければなりません。このようなことがないように、必ず領収書を受け取ってもらって、後日、精算をしてもらいます。領収書がなく精算されず、業務の関連性も認められない出費であれば、原則として社長への給与として処理します。金銭の貸し借り以外にも、例えば、不動産売買や賃貸、銀行借入れの際、保証料を支払うとき、などは第三者との取引同様、きちんと契約書を作成し、取締役会等の議事録を作成しておきましょう。

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2009年9月11日 (金)

知っていますか?「連帯保証」の怖さ!~ Vol.2 ~

【こんな場合はどうなる?連帯保証Q&A】

≪連帯保証も相続することになる!?≫

Q.先日、父親が亡くなり、母親と弟の3人で遺産を相続することになりました。ところが、父親は、事業を営む兄弟の連帯保証人になっていたことが分かりました。この連帯保証はどうなりますか?

A.父親の死亡により、その連帯保証に伴う保証債務がなくなることはありません。遺産相続では、プラスの財産だけでなく、マイナスの財産(例えば借入金や保証債務など)も相続しなければなりません。そこで、主たる債務者(父親の兄弟)の返済能力を確認しつつ、次の対応が考えられます。

・ 万一主たる債務者が返済不能になったとしても、その保証債務が少額で、プラスの相続財産でまかなっても充分おつりがくる場合には、そのまま相続すべきです。

・ 保証債務が多額でプラスの相続財産を上回る場合は、相続放棄も検討すべきです。ただし、相続放棄は相続開始を知ってから3か月以内に申し立てる必要があります。

・ プラスの相続財産はあるが、債務も相当ありそうな場合は、限定承認を検討するという選択肢もあります。ただし、この限定承認も相続開始を知ってから3カ月以内に相続人全員で申し立てる必要があります。

※ 限定承認とは、被相続人の債務がどの程度あるか不明で、プラスの財産が残る可能性もある場合等に、相続人が相続によって得た財産の限度で被相続人の債務の負担を受け継ぐことです。

≪会社を辞めても連帯保証は継続する!?≫

Q.取締役A氏は、会社が金融機関から資金を借り入れる際に、連帯保証人になりました。その後、個人的な事情で会社を辞めることになりましたが、この連帯保証はどうなりますか?

A.会社を辞めた(取締役も退任)からといって、自動的に保証契約も解消することはありません。一度保証契約を結ぶと、会社を辞めても保証契約は継続します。したがって、万一会社が返済不能ということになると、A氏に支払責任が生じます。A氏の保証契約を解消するには、会社を辞める時点で、その金融機関に申し入れを行い、連帯保証契約の合意解約をしてもらう必要があります。

◎ 相続後数年経って、突然弁済請求がきた!!

相続後数年が経っていきなり、父親が連帯保証人になっていたとのことで、弁済の請求をされ、その時点で父親の連帯保証債務を初めて知ったという場合ですが、この場合には、原則的には相続人に弁済に義務が生じ、大きな負担を強いられる危険性があります。ですから、自身が保証人になっている場合は、家族にもその事実を明らかにしておきましょう。なお、例外的に相続放棄が認められる場合もあるので、速やかに弁護士に相談してください。

【連帯保証した金額を肩代わりできるか】

連帯保証人を依頼されたとき、それを引き受けるかどうかは個人の判断によりますが、現実には、その依頼を断るのは大変です。ただし、連帯保証をする場合は、自分が債務者本人に代わって代金を支払う覚悟をもつべきであって、決して安易に連帯保証人になるべきではないということを忘れてはなりません。すでに連帯保証人になっている場合は、その保証契約を解約することは非常に難しいのが現実です。連帯保証はあくまでも保証であって実際に支払義務が確定しているわけではありませんが、最悪の場合に備えて、保証した金額を肩代わりするだけの覚悟と対応策を検討しておくべきでしょう。

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2009年9月 8日 (火)

知っていますか?「連帯保証」の怖さ!~ Vol. 1 ~

企業活動における取引では、連帯保証を要求されることがほとんどであり、そのリスクについて充分に知っておく必要があります。

【連帯保証が原則?】

保証人の保証を提供する場合、連帯保証がむしろ原則と言っていいほどであり、中小企業が事業資金等を金融機関から借入れる場合には、かなり多くの企業の経営者が連帯保証をしているものと推測されます。また、取引先の社長等に自社の連帯保証人になってもらったり、社長自身が取引先の連帯保証人になっているケースも多いと思われます。しかし、取引での関係でやむを得ず連帯保証人になったとしても、主たる債務者である取引先が正常に返済を続けているうちは、それほど危機感は感じませんが、その返済を滞ると大変なことになります。

【借りた人と同じ責任を負う「連帯保証人」】

保証人には、通常の「保証人」と「連帯保証人」がありますが、その責任は大きく異なります。

(1) 通常の保証人の責任は限定的

主たる債務者(例:お金を借りた本人)に弁済能力がないことが明らかになったときにのみ、債務者(例:お金を貸した貸主)に対して弁済責任を負うというのが通常の「保証人」です。通常の保証人には、連帯保証人と異なり、下記の様な抗弁権等が認められています。

・ 催告の抗弁権・・・・・ いきなり債務者から支払の請求を受けたとしても、「まず最初に債務者本人に請求せよ」と言って、自分への請求を拒絶できる。

・ 検索の抗弁権・・・・・ 主債務者に財産があり、その財産への執行が容易なのに自分が債務者から差押えなどの執行を受けた場合、「まず債務者の財産から執行せよ」と言って、自分への執行を拒絶できる。

・分別の利益・・・・・ 保証人の責任が保証人の数に応じて軽減される。

次週は、こんな場合はどうなる?連帯保証のQ&Aについて、お話します。

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