“ 印紙税の実務 ~うっかりミスに注意!~ ”
印紙税は、経済取引や日常生活などで交わされる契約書、領収書、受取書などの文書を作成するときにかかる税金で、定められた金額の収入印紙(印紙)を文書に貼ることで納税します。もし、印紙の貼り忘れ等があると、過怠税が課せられますので、余分な税金を払わないためにも注意したいところです。
【つい、うっかり!!でも3倍のペナルティー】
法人税や消費税の税務調査の際、契約書などの提示を求められますが、調査では、取引内容だけでなく、印紙がきちんと貼られているか、印紙の金額に誤りがないかなどもチェックされています。また、印紙税だけの調査が行われることもあります。万一、印紙の貼り忘れがあると、それが故意でなく、「つい、うっかり」であったとしても、ペナルティーとして過怠税(納付しなかった印紙税額とその2倍に相当する金額との合計額)が課せられます。本来、印紙税は、損金(または所得税の必要経費)になりますが、過怠税は損金等にはなりません。
【文書の名称ではなく内容で判断する】
印紙税がかかる文書(課税文書という)と文書ごとの印紙税額は、税法で決められており、税法に記載されていない文書については、課税されません。だからといって、例えば、契約書は課税文書に該当しますが、「契約書」という名称を使っていなくても、文書の中身が契約内容があれば課税文書になります。あくまでも、その文書の性格で判断します。印紙税がかかる主な課税文書は、下記の表のとおりです。また、課税金額は、文書の種類によって異なります(課税文書、課税金額は「印紙税額一覧表」で確認できます。国税庁HPなど)。
● 課税される文書の例
・不動産の譲渡契約書。 ・土地の賃借権の設定または譲渡契約書。 ・金銭消費賃借契約書。 ・約束手形、為替手形(10万円未満は非課税)。 ・請負契約書(1万円未満は非課税)。 ・継続的取引の基本となる契約書(特約店契約書、代理店契約書、銀行取引約定書など)。 ・領収書(3万円未満は非課税)。 ・判取書。
● 課税されない文書の例
・委任状。 ・労働者派遣契約書。 ・物品売買契約書。 ・建物賃貸借契約書。 ・抵当権設定契約書。 ・電子文書による契約書や領収書。
《 こんなときはどうなる?どうする? 》
(1) 金額を判定する際は、税込みか税抜きか?
領収書などその課税文書の記載金額が、消費税込か抜きかのどちらかで記載されているかで判定します。税込金額の記載しかなければ、消費税込の金額、消費税額が明記されていれば、税抜き金額で判定します。
(2) 印紙の貼り忘れや金額不足に気付いた
税務調査等で貼り忘れ等を指摘されると、未納分の3倍に相当する過怠税がかかりますが、貼り忘れ等に自ら気付いて、自己申告した場合には、過怠税は未納分の1.1倍(本来の印紙税額+その10%の金額)になります。
(3) 収入印紙への消印を忘れたときは?
印紙税は、印紙を貼り、それに消印をすることで、初めて納付したことになります。消印がなければ、貼ってある印紙と同額の過怠税が課せられます。
(4) 印紙が貼っていない契約書は無効か?
印紙が貼っていなかったり、消印がなくても、契約書は有効です。印紙はあくまでも、税金の問題であって、文書の効力には一切関係ありません。だからといって、故意に貼らない場合は、脱税となります。
(5) 印紙が貼れない電子文書の印紙税は?
印紙税は、紙の文書に課税されるため、電子データのやりとりで交わされる契約書や領収書には、印紙税はかかりません。また、電子データの文書の保存を目的に印刷しても、コピーと変わらないため、課税文書にはなりませんが、印刷後に取り決めをして押印をするなどの場合は、課税文書になります。
(6) 印紙を貼り間違えたときは?
「本来納付すべき金額以上の収入印紙を貼ってしまった」「課税文書でないものに印紙を貼ってしまった」あるいは、「印紙は貼ったあと、書類を書き損じた」などによって、誤って印紙税を納めた場合には、「印紙税過誤納確認申請書」を納税地の税務署に提出すれば、還付を受けることができます。その際、貼り間違えた文書と代表者印、預金通帳(還付される税の振込先となる)が必要になります。
(7) 貼り間違えた印紙を再使用できるか?
貼り間違えた印紙は、消印をしていなくても、剥がして再使用することは違法です。
(8) クレジットカードでの支払いの領収書
クレジット販売は、信用取引により商品を引き渡すものであるため、金額が3万円以上で表題が「領収書」となっていても収入印紙を貼る必要はありません。ただし、領収書には、必ず「クレジットカード利用」と記載してください。
(9) デビットカードでの支払いの領収書
金額が3万円以上であれば金銭の受取書に該当するため印紙税がかかります。ただし、顧客あてに交付する「口座引落確認書」(単に口座からの引き落としのみを通知するもの)は金銭の受取書には該当しません。
(10) 収入印紙を購入したときの消費税は?
郵便局、郵便切手類販売所や印紙売りさばき所(切手・はがき類を販売するコンビニなど)で購入すれば非課税です。金券ショップなどで購入すると、課税仕入れとなります。
実務では、後で印紙を貼るつもりでそのまま忘れたり、印紙税額表の「以上」「未満」を間違えたりすることがよくありますので、注意してください。
※ 「以上」 ・・・・ その金額を含む。 「未満」 ・・・・ その金額を含まない。


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