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2009年7月10日 (金)

得意先の倒産時にやるべきこと ~後編~

今回は、得意先の倒産への対応についてケースごとに見てみましょう。

CASE1【得意先が破産申し立てをした場合】

 このケースでは、もはや破産管財人に処理を任せるしかありません。破産管財人が破産会社の資産を評価処分し支払うべきものを支払い、残った財産から破産管財人の報酬、破産会社の滞納税金を支払って、なお残った財産を債権者同士で按分により配分します。実際は、小規模の破産では配当がない、あっても非常に少額にとどまるケースがほとんどです(売却して換金した財産があっても、税金を多額に滞納しているケースが多いというのが実情)。

*留意点

 破産の場合、税務署は債権回収が不能になったことを認めるので、債権者にはその売掛金等を損金算入できるという税務上の取扱いがあります。ただし、この取扱いを受けるために裁判所もしくは破産管財人から送付される「破産債権届出書」に所定の事項を記載し、必ず破産管財人に提出することを忘れないでください。もし提出期限が過ぎてしまっても、提出を認められることもあるので、破産管財人に電話で事情を説明し提出するようにしましょう。

CASE2【得意先がまだ破産申し立てをしていない場合】

 まず、相手方に対し、支払が遅れていることを伝え、速やかに支払うように請求してください。請求方法は請求書の再発行、面談の上での口頭や電話による請求等どのような形式でもOKです。とにかく速やかに行うことが大事です。なお、こちらが請求書を送付するだけでほかに何もしないでいると、取引相手は運転資金に困っているのが普通ですから、自分から積極的に支払ってくれることはないと思われます。そこで、請求書送付だけで終わるのではなく、積極的に経営者等と面談し、経営状況や支払い計画等についての説明を聞き、自社に対し速やかに支払うように要求することが必要です。というのも、たびたび請求をする債権者は、相手方にとって支払い順序を繰り上げざるを得ない債権者ということになるからです。特に弁護士から内容証明郵便による支払督促をしてもらうことは、順位を繰り上げる要因になります。

*留意点

 請求を繰り返すことが効果的だからといって、常識外の誹謗中傷や嫌がらせ等は絶対にしてはいけません。これらの行為は刑法上の犯罪に該当するおそれがあります。あくまで常識の範囲内での積極的な請求にとどめることが必要です。

CASE3【相手が支払いを約束したが即金支払いではない場合】

 相手が債務弁済契約書等の契約書を締結しても実際に約定通りに支払うとは限りません。そこで、金銭の支払いを目的とする金銭債務の場合には、不履行があった場合に直ちに強制執行をすることができる「強制執行認諾文書付公正証書」(債務不履行の場合には、直ちに強制執行を受けても異議がない旨を記載したもの)を作成しておくべきです。これは手続きが面倒ですが、相手からすれば強制執行をされたくないので、支払いの優先順位を相当に高くするはずです。その意味で効果があります。また、物の引き渡しを内容とするときは即決和解(簡易裁判所を利用する「訴え提起前の和解」のこと)をすることが効果的です。これは弁護士を代理人にしなければなりませんが、不履行がある時は直ちに強制執行の手続きをとることができるので効果的です。

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