« “ 間違えやすい消費税の処理 ” ~ Vol.2~ | トップページ | 事業承継者の税負担を大幅に軽減する2つの納税猶予制度について »

2009年6月19日 (金)

黒字化のヒントは現場にあり!

非常に厳しい経営環境にあって、企業にとって利益を出すことは並大抵のことではありません。いうまでもなく利益は、企業の存続・発展のために不可欠なものです。黒字化に向けた問題解決のヒントがつまっている現場を再点検しましょう。

【中・長期的には、黒字体質づくりが必要】

「平成19年度分会社標本調査」(国税庁)によると、平成19年4月~平成20年3月において欠損法人(赤字企業)の割合は7割弱(67.1%)となっていましたが、平成21年3月末までの平成20年度調査では、急激な景気悪化により欠損法人はさらに増加すると予測されています。今回の急激な景気低迷には、まずは政府の緊急保証制度等でなんとか急場をしのがなければなりません。しかし、中・長期的には、黒字体質づくりを避けて通るわけにはいきません。というのも赤字が続くと、いずれ資金は枯渇し、企業の体力は奪われ早晩倒産に到るからです。また、「2期連続赤字の企業」や「債務超過の企業」などになると、金融機関は債務者区分を引き下げて「要注意先」以下や不良債権(要管理債権)とみなして、一括返済を迫ってくることも考えられ、より厳しい状況に陥ることになりかねません。したがって企業が存続するために、厳しい状況であっても利益を出し、黒字経営に転換することが必要不可欠です。

【業績アップの解答は現場にある!?】

業績改善の解答はすべて現場にあるといわれ、現場を見ないでは的確な判断ができません。そこでまず経営者は、現場や顧客のところに足を運び、経営者でなければ気付かない問題点や顧客のニーズなどを直接感じとることからはじめましょう。そして感得した問題点などに知恵と工夫で対応していくことが、業績向上への第一歩となるのではないでしょうか。実際に、そうしたことで赤字から黒字に転換した企業があります。

『現場での判断で仕様変更を受けていたA社』

内装工事業を営むA社は、工務店からの仕事を途切れることなく受注し、着実にこなしていましたが利益がでていませんでした。現状を分析したところ、思ったよりコストがかかっていたことが判明しましたが、その原因がわかりませんでした。工事現場を回っても、これといった問題は見当たりませんでした。そこで、社員たちの本音を聞こうと飲み会を開催しました。酒も回ったところで、ある社員から「工務店の現場監督から仕様変更や追加などをしばしば依頼され、受けた事がある」といった話が出ました。ほかの社員にも同様のことがあるようで、日常的にサービスで仕様変更等を受けていたことがコストアップの原因であることが明らかになりました。そこで社長は、受注先の工務店等に対して自社の現状を説明し、仕様変更や追加等については、今後、社長決裁とすることについて協力をお願いしました。同時に社員に対してコスト意識を徹底させました。この結果、1,000万円の黒字化に成功しました。

『商品化できる部分を処分していたB社』

魚の卸売業を営むB社は、利益が出ず赤字となっていました。社長は原因を分析しましたが、これといった問題点は見当たりません。そこで、業務を見直そうと、現場に出向いて魚をさばく段階からよく観察してみました。すると社員たちは、魚をさばくときまだ商品にできる部分を処分していたのです。そこで、社長は、社員たちに経営の現状を包み隠さず説明し、「これまで処分していたものでも商品化できるものは、商品として販売するので協力してほしい」と訴えました。社員たちは会社の窮状を知り、コスト意識をもって知恵を出し合い、ムダをなくすなどの改善を行いました。その結果、800万円の利益を計上できるようになりました。

『顧客のニーズを把握していなかったC社』

生コンの流れをよくする混和剤のメーカーC社は、売上が不振で赤字経営を続けてきました。社長は、公共事業の減少と不況のため仕方がないと考えていましたが、このままでは倒産も避けられないとの思いから、まずお客様の声を聞こうと顧客訪問をしました。すると、得意先から「操業に支障を来すため、御社から買いたくても買えない」との苦言があったのです。というのも得意先の生コン工場にC社負担で設置している貯留タンクが他社より小さく、使い出すとすぐ無くなるうえ、補充を頼んでもすぐに届かないからでした。そこで社長は、大きいタンクに取り替える余裕はないため、まず効率が悪くても顧客の操業に支障を来さないよう万全な配送を行うとともに、自社の配送能力に合わせて顧客を絞り込むなど配送体制を見直しました。その結果、業績は上向き何とか利益が出せるようになりました。

これらの事例のように、社長自ら現場にでることによって、今まで見えていなかった問題点など、黒字化へのヒントが数多くあることがわかります。社員の方々の意見等を、きちんと聞いてあげることも、利益を出すうえでは、とても大切なことではないでしょうか。

 ※ 経営環境が厳しい中、人件費の負担が適正な水準かどうかチェックしておきたいのですが・・・。

労働分配率を確認してください。この指標は、限界利益に占める人件費の割合を示し、この比率が高ければ高いほど人件費の負担が大きいことを意味し、赤字転落の危険性も出てきます。この数値が業界平均等と比べて高い、または年々増加している場合は注意です。

・労働分配率(限界利益)%=人件費(当期労務費+販売人件費)/限界利益×100

・主要業種別の労働分配率(限界利益)(%)

・全産業(53.1)、・建設業(57.4)、・製造業(53.3)、・卸売業(49.7)、・小売業(52.0)、・宿泊・飲食サービス業(50.4)、・サービス業(他に分類されないもの)(63.1)。

|

« “ 間違えやすい消費税の処理 ” ~ Vol.2~ | トップページ | 事業承継者の税負担を大幅に軽減する2つの納税猶予制度について »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« “ 間違えやすい消費税の処理 ” ~ Vol.2~ | トップページ | 事業承継者の税負担を大幅に軽減する2つの納税猶予制度について »