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2009年6月 3日 (水)

雇用維持のための体質改善とワークシェアリング

 中小企業では、人材が最も大事だと言われます。というのも従業員の解雇は即、製品等の品質低下や業績悪化等に直結するだけでなく、好況になった時の仕事の受注にも影響するからです。今回の大不況の中で、雇用を維持するための体質改善とワークシェアリングについて考えてみましょう。

【能率良くムダなく運営していますか?】

 まず、体質改善に手をつけなければなりません。今までも取り組んできたと思われますが、能率よくムダなく合理的に運営されているかを再度見直してみましょう。

【雇用維持対策としてのワークシェアリングとは?】

 体質改善を踏まえた上で、雇用を維持する方法としてワークシェアリングが考えられます。実際に休日を増やすなどで、緊急的に対処している中小企業もあります。

(1)ワークシェアリングの考え方 

 不況による整理解雇をすることなく、雇用を守るため従業員が協力して仕事を分かち合おうというのがワークシェアリングです。オランダでは1982年にすでに実施して成功し、わが国では平成14年に政労使による「ワークシェアリング検討会議」が開かれ、また日野自動車など個別企業での実績もあり、必ずしも目新しい考え方ではありません。

(2)ワークシェアリングの3つの形態

 ワークシェアリングには、次のような3つの形態があります。

①労働時間の減少:所定労働時間そのものを減少させるというものです。

②休日の増加:週1日の法定の休日や有給休暇とは別に休日を増加させるというものです。

③ジョブシェアリング:一定量の仕事を社員で分かち合うというもので、1人当たりの仕事量は減少します。

(3)実施の際の留意点

 ワークシェアリングを実施する際には、以下の点に留意する必要があります。 

①従業員の充分な理解と協力が前提となります。

②ワークシェアリングに適不適の業種や職種もあるので充分検討します。

③ワークシェアリングを一時的な緊急避難的に使うのか、中長期的に就業形態を見直す方策とするのかを検討し方向を決めます。

④職種ごとに職務を明確化します。

⑤フルタイマーとパートタイマーは時間の長さが違うだけなので、他の点について差別をするべきではありません。

⑥時間単位の賃金を検討します。

 ※時間単位の賃金額を減少させないケースもあれば、時間当たりの賃金を引き下げざるを得ない場合もあり得ます。なお、この時間単位の賃金の基礎は、時給計算でない月給制の場合などでは基本給を対象とすべきでしょう。

(4)従業員の士気低下に注意

 ワークシェアリングは非常に有効ですが、デメリットもあります。それは、この方法によって、高い付加価値を生み出す従業員の労働時間を縮小することになると同時に、賃金低下等によって優秀な従業員の士気を低下させ、かえって生産性を低下させる可能性があるという点です。このことは、よく理解しておく必要があります。

~事例~休日増と給料削減を実施

 金属加工業のA社は、不況の影響で昨年後半以降、受注が6割も減少しました。A社長は「景気が回復した時に備えて、人は解雇したくない」と考え、社員に実情を話し納得を得た上で、社員を2組に分けて、週休2日を4日にして交替で休むことにしました。給料を一律2割削減しました。給料は減少しましたが、社員間には皆でこの苦境を乗り越えていこうという空気が生まれ頑張っています。

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