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2009年5月27日 (水)

不況期の緊急銀行交渉術~5年以内に経営健全化する経営改善計画の必要性~Vol.2

【『金融検査マニュアル別冊(中小企業融資編)』の強制力】

 『金融検査マニュアル』(本冊)とは、金融庁の金融検査官が金融期間の業務を審査する際の検査の手引書です。金融機関はこれを参考にして貸出先の評価をしています。

 その別冊(中小企業融資編)は、「二期連続赤字の企業」「債務超過の企業」「経営改善計画通りに進んでいない企業」「貸出条件緩和を行った企業」であっても、決算書だけではわからない長所を評価して、不良債権とみなさないようにと指導しています。しかし、別冊では法律ではないので、金融機関に対して直接的な強制力はありません。

 個々の融資現場での判断は、金融機関が独自に行います。しかし別冊は金融機関の監督庁が、中小企業融資について指針を明記したものなので、全く無視することもできません。そこで、この別冊の改定内容を実行されるように企業側の適切な行動が行われ、それが金融機関の内部基準とも合致すれば、実施されると思われます。

【「経営健全化の見通し」があれば「経営改善計画」は不要か?】

 パンフレットには、「計画」がなくても、経営改善の見通しがあれば「計画」があるとみなし、「計画」の進捗が遅れても、原因分析して改善が見通せれば計画通りとみなすとされています。これは、窮状にある中小企業のために、より簡易な対応を示唆するものですが、その実行者である、金融機関は、返済リスクの大きな案件には、高い引当金を積まなくてはならず、それが経営の圧迫に繋がるという事情があります。別冊を尊重しつつも少しでも、確実性の高い返済根拠を企業に求めると思われます。改善見通しの提示だけで、納得するとは考えにくいでしょう。

 その際に、一番求められるものは、経営者の経営改善に向けた強い意志と、それを実現する説得力のある経営改善計画だといえます。さらにその計画は、金融機関に提出する目的だけではなく、自社の経営に不可欠な経営指針として、その実行をチェックする社内体制まで配慮する必要があります。借り手の中小企業側から、そのような具体策を盛り込んだ説得力のある経営改善計画を提示されることによって、はじめて金融機関は、その返済根拠が確定でき、『金融検査マニュアル別冊(中小企業融資編)』の指導に従うと思われます。

 なお経営改善計画の作成については、会計事務所にご相談ください。

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2009年5月19日 (火)

不況期の緊急銀行交渉術~5年以内に経営健全化する経営改善計画の必要性~

 大不況の中で、中小企業の資金繰りが困難になっています。金融機関に、借入返済の延期等を申し込んでも応じてもらえないという実態があります。そこで金融庁は、昨年末『金融検査マニュアル別冊(中小企業融資編)』を改定して、借入金の貸出条件を緩和しても、5年以内に回復可能な見通しが示せれば、不良債権とはみなされないなどの広報をしています。

【借入金の返済を猶予して欲しい】

 不況で売上が大幅にダウンしてしまったため、金融機関に対して、借入金の返済延期等の条件変更をして欲しいと望む企業が増えています。しかし金融機関は返済条件の変更にはなかなか応じてくれず、仮に応じた場合には、債務者区分を引き下げて、「要注意先」以下や不良債権(要管理債権)とみなして一括返済(貸し剥がし)を迫る例もあります。

 これに対して金融庁は、昨年11月に『金融検査マニュアル別冊(中小企業融資編)』(以下別冊)を改定して、金融機関に対して、仮に中小企業の返済条件を緩和したとしても、一定の条件を満たしてさえいれば、不良債権とみなすべきではないという指導を行っています。

 さらにその内容を借り手である中小企業の側にも知らせるために、パンフレット「中小企業の皆様へ」(下欄)を作成して、金融庁のホームページ等に掲載して、その内容の普及・浸透を図っています。

【5年以内に経営健全化の見通しがあれば不良債権とはみなさない】

 別冊の改定内容を企業向けに分かりやすく解説した金融庁のパンフレット「中小企業の皆様へ」の要点は次の通りです。

 企業が借入金の返済に困って、金融機関に借入金の返済条件の緩和(金利引き下げ、支払猶予、債権放棄等)の対応をしてもらったときに、従来は「3年以内に経営が健全化するような経営改善計画」があれば、不良債権とはみなさないとしていましたが、その期間が「原則5年、進捗良好なら10年」と大幅に延長されました。また計画期間中には一定の金利支払いを確保するという条件もなくなり、さらに「経営改善計画」がなくても「経営改善の見通しがあれば」よく、計画の進捗が遅れていても、原因を分析し改善が見通せれば、計画通りと同様に取り扱うとも書いています。

《金融機関が条件緩和を行っても、不良債権にならない取扱いを拡充しました!》

~改定前~

不良債権にならないためには・・・

○中小企業も大企業と同様、3年以内に経営が健全化するような「経営改善計画」が必要です。

○「計画」期間中、一定以上の金利を確保する必要があります。

さらに・・・

○大企業と違って中小企業は、大部で精緻な「計画」を作ることが困難です。

○中小企業は景気の影響を受けやすく、「計画」どおり進捗しない場合も少なくありません。

           そこで☟

~改定内容~

中小企業向け貸出金の条件緩和がしやすくなりました。

○経営が健全化するまでの期間を大幅に延長しました。(原則5年、進捗状況が良好な場合は10年まで)

○一定上の金利を確保する必要がなくなりました。

さらに・・・

○「計画」を作っていない場合でも、今後の経営改善の見通しがあれば、「計画」がある場合と同じように取り扱います。

○「計画」の進捗が遅れていても、その原因を分析し、今後の改善が見通せるならば、「計画」どおりに進んでいる場合と同じように取り扱います。

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2009年5月 8日 (金)

法人税が戻る!? 2月決算法人から欠損金の繰戻還付が適用できる

【納付した法人税の還付が受けられる】

 すでに納めた法人税が戻ってくる・・・・・。設立5年以内の中小企業など、一部の法人を除いて平成4年から適用が停止されていた「欠損金の繰戻還付制度」が、平成21年度税制改正で復活します。これは、欠損金が生じたとき、その欠損金額を前期の所得に繰り戻して、すでに納付済みの法人税額を還付請求することができる制度で、中小法人等に限って平成21年2月決算法人から適用できるようになります。納税した税金が戻ってくることから、資金繰り面でも有効な制度といえます。

※対象となる中小法人等(青色申告書を提出する以下の法人)

①資本金(または出資金)が1億円以下の普通法人  ②公益法人等  ③協同組合等  ④人格のない社団等

【繰戻還付を受ける際の注意】

 この制度の適用を受けるにあたっては、次の点に注意してください。

①還付所得事業年度から欠損事業年度について、連続して青色申告書を提出している事業者が対象になります。

②繰戻還付を受けるには、法人税の確定申告書に「欠損金の繰戻しによる還付請求書」を添付する必要があります。

③この制度は法人事業税には適用がありませんので、事業税の所得計算では、法人税の繰戻還付がなかったものとして欠損金を繰り越して計算し、事業税額を算出します。

 また、事業年度に生じた欠損金については、翌年度以降7年間にわたって所得金額から繰り越して控除することで、欠損金に対する税負担を将来に先送りできる「欠損金の繰越控除制度」もあります。なお、繰戻還付後の残額について、繰越控除を適用することも可能です。

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2009年5月 1日 (金)

解雇を避けたい経営者のための『中小企業緊急雇用安定助成金』

【一時休業などで対応する中小企業】

 不況による中小企業の業績悪化が深刻になってきています。大企業と異なり中小企業では、「解雇すると、景気が好転したときに人材確保が難しい」「家族同様に働いてきた社員を簡単に解雇できない」「製品(サービス)の品質維持には従業員の能力が欠かせない」などの事情があります。そのため、解雇を避けて、従業員の一時休業などで何とかこの危機を乗り切ろうと努力しているところが多いようです。

 こうした中小企業に対する支援策の一つとして雇用調整助成金の要件を大幅に緩和した「中小企業緊急雇用安定助成金」が昨年12月に創設されています(下記参照)。今年2月には、要件のさらなる緩和や支給日数限度の拡大も行われました。

《中小企業緊急雇用安定助成金》

 急激な資源価格の高騰や景気の変動などの経済上の理由による企業収益の悪化から、生産量が減少し、事業活動の縮小を余儀なくされた中小企業事業主※が、その雇用する労働者を一時的に休業、教育訓練、出向させた場合に、その手当や賃金等の一部を助成するものです。

※対象となる中小企業事業主

小売業(飲食業含む):資本金5,000万円以下または従業員50人以下

卸売業:資本金1億円以下または従業員100人以下

サービス業:資本金5,000万円以下または従業員100人以下

その他の業種:資本金3億円以下または従業員300人以下

【休業手当の5分の4が助成される】

 この助成金は、次の条件を満たしている経営者が対象となっています。

①最近3か月の売上高、生産量等がその直前3か月または前年同期と比べて減少してい  る。

②前期決算等の経常利益が赤字である。(ただし、①において生産量が5%以上減少している場合は不要です)

[支給対象]休業・教育訓練   [受給額]①休業手当相当額の4/5(上限あり※) ②教育訓練を行った場合には、前記①の金額に1人1日6,000円を加算  (注)支給限度日数は3年間で300日(最初の1年間で200日)が限度です。   [主な要件]従業員の全1日の休業または事務所全員一斉1時間以上の休業であること 等々

[支給対象]出向   [受給額]出向元で負担した賃金の4/5(上限あり※)   [主な要件]3か月以上1年以内の出向であること 等々

※1人1日当たり雇用保険基本手当日額の最高額が限度

 中小企業緊急雇用安定助成金の手続きは、休業・教育訓練、出向の開始前までに、休業等(出向)の計画書を事前に届け出た後、一定期間ごと(休業等の場合は給与算定期間ごと)に支給申請をすることになります。

 届出・申請に必要な書類、詳細な受給要件等については、最寄りのハローワーク、または都道府県の労働局にお問い合わせください。

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