不況期の緊急銀行交渉術~5年以内に経営健全化する経営改善計画の必要性~Vol.2
【『金融検査マニュアル別冊(中小企業融資編)』の強制力】
『金融検査マニュアル』(本冊)とは、金融庁の金融検査官が金融期間の業務を審査する際の検査の手引書です。金融機関はこれを参考にして貸出先の評価をしています。
その別冊(中小企業融資編)は、「二期連続赤字の企業」「債務超過の企業」「経営改善計画通りに進んでいない企業」「貸出条件緩和を行った企業」であっても、決算書だけではわからない長所を評価して、不良債権とみなさないようにと指導しています。しかし、別冊では法律ではないので、金融機関に対して直接的な強制力はありません。
個々の融資現場での判断は、金融機関が独自に行います。しかし別冊は金融機関の監督庁が、中小企業融資について指針を明記したものなので、全く無視することもできません。そこで、この別冊の改定内容を実行されるように企業側の適切な行動が行われ、それが金融機関の内部基準とも合致すれば、実施されると思われます。
【「経営健全化の見通し」があれば「経営改善計画」は不要か?】
パンフレットには、「計画」がなくても、経営改善の見通しがあれば「計画」があるとみなし、「計画」の進捗が遅れても、原因分析して改善が見通せれば計画通りとみなすとされています。これは、窮状にある中小企業のために、より簡易な対応を示唆するものですが、その実行者である、金融機関は、返済リスクの大きな案件には、高い引当金を積まなくてはならず、それが経営の圧迫に繋がるという事情があります。別冊を尊重しつつも少しでも、確実性の高い返済根拠を企業に求めると思われます。改善見通しの提示だけで、納得するとは考えにくいでしょう。
その際に、一番求められるものは、経営者の経営改善に向けた強い意志と、それを実現する説得力のある経営改善計画だといえます。さらにその計画は、金融機関に提出する目的だけではなく、自社の経営に不可欠な経営指針として、その実行をチェックする社内体制まで配慮する必要があります。借り手の中小企業側から、そのような具体策を盛り込んだ説得力のある経営改善計画を提示されることによって、はじめて金融機関は、その返済根拠が確定でき、『金融検査マニュアル別冊(中小企業融資編)』の指導に従うと思われます。
なお経営改善計画の作成については、会計事務所にご相談ください。


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