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2008年10月31日 (金)

「中小企業経営承継円滑化法」ってなに?

 「中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律」(以下、中小企業経営承継円滑化法)は、平成20年5月に国会で成立し、今年10月1日から施行されています。

【中小企業経営円滑化法はなぜできたの?】

 承継において、相続税の重い負担やほかの相続人への遺留分(遺言などによっても侵されない、法定相続人に認められる一定の相続財産の取り分)制度による資産の分散によって、廃業を余儀なくされる中小企業は多いようです。平成18年版中小企業白書によると、「後継者がいなことを理由に、毎年約7万社の企業が廃業し、これに伴って20~35万人が仕事を失っている」と推定されています。このままでは、雇用が確保できないだけでなく、中小企業がもつ高度な技術が失われることも懸念されています。そこで政府は、地域経済の活力維持のためにも、日本経済の基盤ともいうべき中小企業の経営承継を総合的にバックアップするために、「中小企業経営承継円滑化法」を創設しました。

【対象となる中小企業とは?】

 中小企業経営承継円滑化法の適用対象となるのは、一定期間以上継続して事業を行っている一定の非上場会社で、原則的には中小企業基本法上の中小企業です。

【中小企業経営承継円滑化法の3つのポイント】

 中小企業経営承継円滑化法は、次の3つのポイントからなっています。

(1)遺留分に関する民法の特例

 この民法の特例については平成21年3月1日施行です。利用できるのは3年以上継続して事業を行っている中小企業で、その内容は次のとおりです。

 ●贈与株式等を遺留分算定基礎財産から除外できる制度

 先代社長の生前に、経済産業大臣の確認を受けた後継者が、遺留分の権利を持つ者全員との合意内容を家庭裁判所に許可を受けることで、先代社長から後継者へ贈与された自社株式その他一定の財産について、遺留分算定基礎財産から除外できます。

 ●贈与株式等の評価額をあらかじめ固定できる制度

 経済産業大臣の確認を受けた後継者が、遺留分の権利を持つ者全員との合意内容を家庭裁判所に許可を受けることで、遺留分の算定に際して、贈与株式の金額をその合意時の評価額であらかじめ固定できるようになります。これにより、後継者の貢献による株式価値の上昇分は減らされないことになります。

(2)金融支援制度の創設

 経済産業大臣の認定を受けた中小企業者(非上場会社および個人事業主)ならびにその代表者に対して、相続が発生した時に必要となる資金調達を支援するため、次の特例が設けられました。

 ●中小企業信用保険法の特例

 会社(個人事業主を含む)の資金需要に対応。信用保険が拡大(別枠化)され、株式、事業用資産等の買取資金や一定期間の運転資金等の融資の際に保証が受けられます。

 ●日本政策金融公庫法の特例

 後継者個人の資金需要に対応。代表者個人に対する融資を行い、株式、事業用資産等の買取資金、相続税納税資金、遺留分減殺請求(遺留分を侵している他の相続人に対して遺留分の不足分を請求すること)への対応資金等の調達について支援されます。

(3)相続税の納税猶予の特例(創設予定)

 後継者が相続等によって取得した自社株式(非上場株式)等の課税価格の80%にあたる相続税の納税を猶予するという特例です。平成21年度税制改正に盛り込まれ、国会で審議され成立すれば、平成20年10月1日から遡及適用される予定です。

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2008年10月24日 (金)

後継者へのバトンタッチの準備はできていますか?

 中小企業では、経営者の高齢化が進んでいる一方、承継対策がうまくいかず経営承継に失敗する例も多く見られます。

*「経営承継」ってなに?

「経営承継」とは、今年施行された「中小企業における経営の承継(後継ぎ)の円滑化に関する法律」(中小企業経営承継円滑化法)の名前からきています。事業承継と本来の意味は変わりません。

【事例:事業の承継対策をしなかったため実権が第三者にわたりそうなA社】

 部品メーカーのA社は、A社長(65歳)が発行済株式の80%を持ち、社長の弟のB専務が残りの20%を持つ同族会社(非公開会社)です。A社長の奥さんと2人の娘さんは業務には関わっていませんでした。A社長は体調を崩し入院しなければならなくなり、業務をB専務に任せることにしました。そうこうしているうちに、A社長の症状が悪くなり急逝してしまいました。株式対策など承継の対策は全くしていませんでした。相続人である奥さんと2人の娘さんは、A社長の持つ株式を法定相続分に応じて受け取りましたが、相続税の納税資金のこともあり、その株式をB専務や幹部社員に買い取ってもらいたいと申し出たのです。しかしB専務や幹部社員にはその資金がないため、奥さんと娘さん達は株式の一部を第三者へ売却することを検討しています。もし第三者が株式の半分以上を持つことになれば、当然会社の経営権も握られることになります。B専務や社員達は今後会社はどうなるのか不安で、業務に専念できず業績も下降線をたどるようになりました。

【承継の準備は早いほどよい】

 「自分は生涯現役だ!」と、なかなか承継対策をせず「現役引退まで、あと10年以上あるから、その時になって考えればいいだろう」という経営者が多いようです。ある調査によると、後継者をすでに決めていると答えた経営者のうち「充分に準備している」のは2割弱にとどまり、6割以上が「充分な取組みをしていない」との結果が出ています。しかし、実際に後継者に承継させるとなると、親族や会社の役員・従業員・取引先などの理解を得たり、後継者を教育するといったことに時間が必要です。また同族会社が多くを占める中小企業では、相続が発生すると、遺産分割や後継者をめぐって親族内の争いが起こるケースが珍しくありません。経営承継におけるこうした問題をクリアしスムーズに承継するには、早い時期から準備をし、計画を立て時間をかけて行う必要があります。ちなみに準備を早くすればするほど経営承継がうまくいく確率が比較的高くなるといった調査結果もあります。社長自身に何かあったときに会社を守るためにも、承継の計画を立てましょう。

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2008年10月17日 (金)

決算書は会社の通信簿

 決算とは、自分の会社は利益が出ているのかそれとも赤字なのか、利益または損失があるならどの程度なのか、資金繰りの状況はどうなのか等を確認するとういう重要な意味があり、経営者の1年間の通信簿ともいえます。

【社長の意思決定が必要です】

 決算は、翌期以降の経営に直接影響を与える大切なものです。たとえば、翌期に新たに事業所を設けたり、売上を伸ばすために仕入れを増やしたりする計画があるような場合、その資金を確保できるかどうかは決算の結果次第だからです。決算と翌期以降の経営計画とは密接につながっており、経理担当者や会計事務所にすべてお任せではいけません。経理担当者や会計事務所とよく相談し、中期経営計画なども考えた上で、今期の最終的な数字をどうまとめるか、社長自身が意思決定しなければならないのです。

【決算対策は最低2ヵ月前から】

 決算対策とは、期首に目標とした利益を計上できるように、決算前に行ういろいろな対策のことです。効果的な決算対策を行うためには、最低でも決算月の2ヵ月前には準備をはじめるとよいでしょう。具体的な手順としては、以下のとおりです。

 (1)当月までの実績をもとにして期末までの業績の見通しを検討し、決算月に最終的にどのようになるか年間の業績予測を計算する。

 (2)算出した(1)の結果をもとに、利益または損失の額や税金の支払い額を試算する。

 (3)翌期以降の計画を踏まえて、具体的な決算対策をした場合の利益または損失額のシミュレーションをいくつか行い、最終的な方針を決める。

 なお、多額の節税をしようとして無理な決算対策を行って資金不足になってしまった例や、節税になると思ってした事が税法上認められたかった例も多くあります。決算対策については事前によく調べるか、会計事務所に相談することをお勧めします。

【効果的な決算対策は「月次決算」】

 決算は会社法などで決められているように、普通は1年に1回行うものですが、期中に直近の業績を把握し、速やかな判断を行うには、何といっても毎月帳簿を締めて数字を確定する「月次決算」が必要です。月次決算を行うことで、直近の売上高や売上原価、経費、利益など会社の業績を正確に把握することができます。このような月次決算が積み重なって、はじめて正確な決算ができるようになるのです。また、金融機関から業績の報告を求められた時、最新のデータを提供することができるので信用力が高まります。可能な限り「月次決算」をされることをお勧めします。

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2008年10月10日 (金)

毎日の記帳が会社を守ります!

 毎日記帳を行い決算書を作成するのは、税務申告のためだけだと考えている経営者の方が多いのではないでしょうか。しかし、記帳の本来の目的は会社の業績を正確に把握し、かつ取引上のトラブルなどから会社を守ることにあります。

【記帳は自社のために行うもの】

 商売を長く続け信用力が高まってくると、現金取引よりも銀行での取引が多くなっていきます。そうなると、売掛金や買掛金などを帳簿に日々記録し、しっかり管理することがいっそう重要になってきます。つまり、毎日きちんと記帳を行うことは、他の誰のためでもなく、自分の会社の経営にとって必要なことなのです。毎日記帳を行うことによって次のようなメリットがあります。

(1)経営上の問題点を早い時点で発見できる

 毎日の記帳にもとづいて日々業績を把握できるので、経費がかかりすぎていないか、資金が不足していないかなど、経営上の問題点を早い時点で発見し、素早く対策を立てることができます。

(2)金融機関等に最新の財務データを掲示できる

 例えば、金融機関から融資を受ける場合など、自社の業績を外部に報告しなければならない時に、日々帳簿をつけていないと直近の財務データを提示することができません。特に最近では、金融庁が各銀行に担保に過度に依存しない融資をするように求めており、担保にかえて「信頼性のある正確な決算書」が不可欠の時代になっています。そして、その正確な決算書の大前提となるのが、日々の記帳なのです。

(3)取引の実在性が証明できる

 日々の取引が実際に行われたものであるかどうか、普段問題になることは少ないかもしれません。しかし税務調査を受けたり、顧客や取引先とのトラブルによる訴訟等が発生して、特定の取引があったことを証明しなければならなくなった時に、帳簿に記録がなく、また証憑書類がきちんと保存されていないと、その取引が実際に行われたことを証明できず不利益をこうむることになります。また、信用性を失うことになりかねません。しかし、毎日きちんと記帳していれば、その帳簿には法的な証拠能力が認められ、上記のような事態起こっても自社を守ることができます。

 

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2008年10月 3日 (金)

消費税 こんなところが間違えやすい!

 消費税は、赤字経営であっても納めなければなりません。消費税の処理について間違えやすい点をいくつかピックアップしてみました。

【1】軽油引取税などは区分して処理していますか?

 ディーゼル車などの軽油の代金に含まれている軽油税や、ゴルフをした時のゴルフ場利用税、温泉の入湯税には消費税はかかりません。ですから、課税の分と不課税の分を分けてそれぞれの課税区分で処理しなければなりません。例えば、軽油代1,000円を支払ったとして、領収書には軽油引取税が200円と記載されていたとします。この場合、1,000円のうち200円が不課税なので、800円分だけ消費税がかかることになります。領収書等には、軽油税やゴルフ場利用税を記載してもらうようにし、区分して処理しましょう。

【2】クレジット会社に支払う手数料は非課税として処理していますか?

 小売店や飲食店等では、顧客がクレジットカードで代金を支払うケースがあります。この場合、クレジット会社は顧客から代金を回収すると共に、回収手数料を差し引いて一括してお店に支払うことになります。この回収手数料は非課税とされています。そのため、お店側が負担する手数料は消費税がかからないので注意しましょう。また、カードで支払った側の注意点ですが、カードで支払った後日クレジット会社から請求明細書が届きます。これには利用した取引先は記載されていますが、何を購入したのか等内容が書かれていないので、税法での「請求書等」の書類に該当しません。カードを利用した際には、お店が発行した「ご利用明細書」が税法でいう請求書になりますので、しっかり保管しておきましょう。

【3】自動車を購入した時に支払ったリサイクル料金は不課税として処理していますか?

 平成17年以降、自動車リサイクル料金を支払うことになっています。リサイクル料金は自動車メーカーがリサイクルを適正に処理したり、廃車処理の情報管理などに使われ消費税がかかるものです。しかし、実際に費用がかかるのは廃車となるとき。購入時に支払った際には預託したものとされますので、不課税として処理します。また、経費ではなく資産に計上します。経費となるのは廃車にする時なので、注意しましょう。廃車をせず売却した場合は、売却金額にリサイクル料金が含まれますので資産から取り崩しましょう。

 

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